速耳トレよもやまコラム

[02]正しい聴き方

 速耳トレは、実際のところ何倍ぐらいまでなら効果が上がるのか?目を閉じて聴くときはどのくらいのスピードで聴くのが効果的なのか?原稿を読むときは・・・ということについて、ちょっと科学的っぽく考えてみます。

 
 速い音声聴くことは脳にいい!ということですが、これは「速ければ速いほどいい」ということではありませんから、そのあたりは十分に注意しましょう。「耳で聴き取れないのは、左脳の働きを越えているからであり、右脳が働いているということだ」なんていうマッカなウソを垂れ流しているところもありますから、のせられないように注意しましょうね。
 
 ちなみに、理論上の話ですが、私たちが曖昧になった音を「音声」として認識するのに要する時間は50m秒だそうです。つまり1分間あたり1200文字。しかもこれは前の音などから推測する分も含めたスピードですので、初めて耳にする内容だったりすると、このスピードで聴き取るのは困難である可能性があります。
※「音を音声とみなし、耳から入ってきた情報を脳で処理する」のに必要な時間であって、脳が文脈を処理したり、理解・判断したりする時間は別であることは言うまでもありません。文字情報と違い、前後の結びつきを、すべて脳のワーキングメモリー内で処理しますので、非常に負荷の高い、時間のかかる処理であることは想像に難くありません。
 
 しかも、全体がこのスピードで流れてしまったり、そもそも波形がギュッと圧縮された形になっていて本来の音と違う状態になってしまっているとすると、脳が反応できるのかどうか、かなり疑問です。 (さらに、脳が「音」か「音声」かを判断する際の大きな材料として「その音を口(下・あご・唇・のど)で発したことがあるか」ということも重要なのだそうです。だとすると、速すぎる音声が脳を素通りしていくというのは、これまたあり得そうですね。)
 
 ですから、ちょっとゆっくりめのスピードで録音されている朗読が240文字/分ぐらいニュースのアナウンサーが400文字/分と言われていますので、脳が「音声」と見なす、つまり脳が聞き流さずに処理しようと努力すると予想されるスピードは3~5倍が限度ということになります。
 
※ちなみに速耳倶楽部のコンテンツは300~350文字ぐらいのスピードです。
 
 それ以上のスピードで再生される音声は、脳は単なる雑音として聞き流してしまって、脳力開発トレーニングにはなりえない可能性が高いわけです。「聴き取れないスピードだからこそ右脳が働き出す」などと主張する団体は、本当に右脳が働いている証拠を、科学的に提示すべきですね。 (実際のところ、10倍速とか16倍速とかスピード狂の業者が、自分の商品の優位性を強調するためにウソを承知で宣伝しているだけです。速読と違い、ノウハウに大きな差がないため自分の商品をアピールするのが、音質かスピードかしかないわけですよ。)
 
 さて、では脳力開発トレーニングとして聴く場合には、どのくらいのスピードで聴くのがいいのかということになりますが、一応の目安を以下のように考えています。
 
原稿を読まずに聴く場合:3倍程度を限度として、無理なく聴くことができる範囲。少しゆっくりめから始めて、やや無理のあるスピードまで上げた後で、再びスピードを落としてやることで、あまり速さが気にならなくなります。
聴く際には、目を閉じて、音声に集中して聴くようにします。が、過度の集中状態では疲れますので、ほどほどリラックスして、内容を受け止める程度に聴くといいでしょう。あれこれ考えながら聴くと、スピードについて行けなくなってしまいます
 
原稿を読みながら聴く場合:その人の読むスピードにもよりますが、あまりゆっくりだと読むスピードと聴くスピードが食い違い、集中力が散漫になってしまう可能性があります。ですから、やや早めで聴くのがいいでしょう。目を閉じて聴いたら聴き取れなくても、眼で原稿を見れば問題なく聴き取れるはずです。もちろん、それが音声として成立していなければなりませんので、経験的にいうと5倍が限度だろうと思います。(1500文字/分程度)
この聴き方は、初級レベルの速読トレーニングになります。意識は「読む」方に重点を置くようにして、音声をスピードを維持するための先導者として利用するといいでしょう。
 なお、何度も聴いた内容であれば、「聴く」というよりも「耳から入ってくる音声を元にして思い出す」事が可能になります。ですから、原稿の有無にかかわらず上記スピードよりも速くても大丈夫です。
 
 以上、現段階(05.01.25)で科学的なデータ等や、多くの方の経験を元にして「確かに言える」と考えられること(つまり仮説)を書いています。
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投稿者 てら : 2008年03月25日 21:12

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